キャプテン・ダン


 視聴者に葬り去られたアニメキャラがいる。1977年3月6日から1978年3月26日までフジテレビ系で毎週日曜日19:00〜19:30に放送されたロボットアニメ『惑星ロボ ダンガードA』に登場する「キャプテン・ダン(一文字断鉄)」である。

 キャプテン・ダンは、ドップラーの基地から脱走してジャスダムへ辿り着いたマスクマンである。当初はドップラー軍団によって自分の身元に関する記憶、手足の指紋を消されており、第2話でジャスダムに現れた時は「Mr.X」と名乗っていたが、大江戸博士により、ダンガードAにちなんでキャプテン・ダンという仮名を与えられる。卓越した操縦技術を持ち、大江戸博士からプロメテ計画の要となるであろう巨大ロボ・ダンガードAのパイロット養成を託されて主人公タクマらをしごきまくる鬼教官に就任。第3話以降、延々と繰り返される訓練は主役ロボ・ダンガードAの活躍を大幅に先送りすることとなる。

 マスクにはドップラー軍団の指令を受ける受信装置が内蔵されており、ダンは受信アンテナが偶然折れたことにより、軍団の呪縛から解き放たれて脱走することができた。だが構造上の問題とあらゆる工具が歯が立たない頑丈さで、マスクは外せない。また受信装置自体は故障していないため、ダンはたびたびドップラー軍団の指令電波と受信装置が作用して起こる頭痛に悩まされることになった。

 第26話で自分に代わるパートナー候補として新たに2人の候補生をスカウトし競い合わせようとする。間もなくジェット・ジョーが死亡したため、タクマと秀人の両名に絞ってメインパイロットの座を巡るライバル意識を激しく煽り立てた。

 第11話で自分を狙った爆弾の爆発によりマスクが破損、外れて記憶も甦り、自分が一文字断鉄であることを思い出す。しかし、その後もタクマの前ではマスクを被り、あくまでダンとして厳しく接し続けた。第33話で重傷を負いマスクが外れてタクマに正体を知られるが、親子としての愛情を交わす間もなく第35話でジャスダム発進と同時に敢え無く死亡した。

 実は、スタッフによる当初の予定ではダンはそのままタクマと秀人を鍛えながらプロメテまで同行するはずだった。しかし、タクマをしごきまくるその鬼軍曹ぶりに対し、一部の熱狂的な女性ファンたちから「酷過ぎる」「憎たらしい」「死んで欲しい」などのクレームを送りつけられるなど大いに不興を買い、これに加えてメインターゲットである肝心の幼児層からは「仮面が怖い」というクレームの投書が毎週相次いだ事による余りの不人気ぶりから、急遽死なせる事になったという。

 主人公タクマへ「訓練」の名の下に鬼のようなスパルタ教育を施す教官キャプテン・ダンとの関係がしばしばロボットアニメ版『巨人の星』とも評されていたが、中盤以降はダンの死によりスポ根的な要素が払拭され、前後に登場していた美形のライバルであるトニー・ハーケンとタクマの対決を軸として、荒木伸吾と姫野美智による美麗なキャラクター人気がロボットバトルより先行するようになっていく。結果、『惑星ロボ ダンガードA』は商業的に成功することになった。

 なんとも気の毒なキャラクターであるが、実際に気の毒だったのはキャプテン・ダン役の声優・柴田秀勝ではないだろうか・・・。





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