clap log

1
1/1ページ目

青峰くん・・・青峰くん・・・
呼んでいる声がする。眠い目をこすりながら見ると、

「青峰くん!起きてよ!今日は試合でしょ!!」

「ああ・・・?なんだよ、さつきかよ。」

「テツ君はもう行っちゃったよ!」

青峰くん、という声だったからテツかと思って起きてしまった。ああそういえば、中々起きないときはテツ君の真似して起こすといいかな、とか前に言っていた気がする。

「あーー俺行かなくてよくね?」

「そんな訳にはいかないでしょ!今日はインターハイの予選の初日だよ!?」

「土曜日だし・・・どうせ勝つだろ」

「相手はこの区の2番目に強い学校だって言ったじゃん!」

「普通に考えて勝つだろ・・・テツも出るし?」

そのとき、ピリリと携帯が鳴った。

「ふぁーい」

気が抜けたような声で返事をすると、あきれたような声が聞こえた。
『あ、もしもし青峰くん、起きましたか?』

「ああ今起きたよ」

『今から試合始まるので早く準備してきて下さい。あと、桃井さんは今すぐ来て下さい。監督が待ってます。』

では、と用件だけ伝えられて電話が切れる。

「さつきは早くこいってよ」

「大ちゃんも早くきてよね!」

「へーへー」


もそもそと支度をする。全く相変わらずテツは真面目なもんだ。関心してしまう。まあ、試合や練習に真面目に出る気はないけれど。
自分にとって最高の相棒、及び恋人について考えると、どうしてか頬が緩んでしまう。
かったるい試合だが、テツのパスをまた受けられることを楽しみに、家を出た。



会場についたときは、もう第3Qの終わり頃だった。

「うぃーす」

「あ!!大ちゃんやっときた!」

「なんだよ、勝ってんじゃん」

結構な点差で桐皇がリードしている。もう出なくてよくね?と言ったら、休憩していたテツに頭を殴られた。

「いって」

「駄目ですよ青峰くん。」

「んだよテツ」

「約束でしょう。試合、出てくください。」

その言葉に監督も同意する。

「そうですよ。油断大敵。いつも言ってるでしょう」

めんどくせーなー、と思いながらその2人の言葉に上着を脱いだ。







結局その試合はダブルスコアの大差で勝った。

「テーツ。早く帰ろーぜー」

「あ、はい。少し待っててください。」

他の学校では選手がまとまって帰るが、桐皇では個人で帰ることが多い。特にこのような予選のときは。

「あ、ちょっと私も一緒に帰りたい」

「行こーぜー」

さつきの言葉を無視してテツの腕をとる。

「あ、ちょっと!!」

さつきが走って追いつこうとすると、
「桃井さーん」

「あ、監督」

「ちょっといいですか?」

「あ、はい。ってああもう、先帰るなんてひどい!!」

こうしてテツと俺の二人で、今日のバスケの話をして帰る。試合が合った日は必ず、マジバに寄ってバニラシェイクを飲む、というのがきまっていた。

ズズ、と音をたてながらテツがシェイクをすする。

「よっくそんなあまったるいの飲めんなー」

「おいしいですよ?これはどんなに飲んでもあきないです。」

一口いりますか?と差し出されたそれを飲むと、バニラの香りと共に、甘いシェイクが口の中に入ってきた。

「あっま」

「その甘いのがおいしいんですよ」

「へーー」

理解できねーわ、と言いながらソーダアイスをしゃくり、と食べる。

口直しに食べたつもりが逆に変な味になってしまった。
微妙な顔をしていると、テツがふふ、と笑った。

「なんだよ。」

「いいえ。別に。」


むっとして髪をぐしゃぐしゃとなでると、テツは微笑みながらシェイクをすすった。

こうして、二人で帰って、自然に手をつないで、笑いながら帰るのが、何よりも楽しい、なんて。





[指定ページを開く]

章一覧へ

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ